ミュンヘン市立総合病院・老人病診療科
老人病デイクリニック(Geriatrische Tagesklinik)
8月12日(火) 13:00〜14:30
次に Geriatrische Tagesklinik を訪問し、prof.Dr.Heinrich から、お話を伺っ
た。
1) この病院はミュンヘン市で唯一の老人専門部をもつ総合病院(老人部門1992年に
設置)である。12部門の診療科目があり(内科系は5部門)、その中の一部門とし
て老人専門部があり、老人部門には医師10名(内3名はアドバイザー)と6人のア
シスタント(インターン等)がいる。 老人病も1つだけでなく、多くの合併症に対
応している。
2) 入院中と通院中の老人平均年齢は75才、特に老人専門ということだが何才以上と
いう規則はなく、その症状及び機能に対応している。
男性は全体の27%で平均76才で、女性は全体の73%で平均80才である。
3) 病院全体としては800床のベッドがあり、老人部門は60床、内入院専用は30床あ
る。診療体制はデイクリニックと入院となっている。年間約1,000人の利用者(デイ
クリニックが1/3 入院者が2/3)がある。
入院平均日数は30日間(ただし病気の種類、症状によって様々)、リハビリ期間も
含むデイクリニックは24日間である。(土・日は休み)
4) サービスの内容は入院者に対しては2人あたり看護婦1人が付き、デイクリニッ
クは30人あたり看護婦7人が付く。常に自立に向けての介護・看護が行われている。
介護者も社会復帰に向かってよく努力するという。
5) デイクリニックは自宅までの送迎を行い、診療及びリハビリを行っている。
デイクリニックの来訪の内訳は50%が開業医から、25%は当病院からの紹介で、そ
の他が25%である。
6) 疾病のほとんどは脳卒中で、現在社会復帰者は90%、7%は老人ホームへ、3%
が死亡となっている。癌などのターミナルケアは行っていない。
7) この病院の特色として患者だけの対応ではなく、一般の開業医やその他の総合病
院の医師に対して老人医療のアドバイス・講義など頻繁に行っている。
もちろん老人をもつ家庭へのアドバイスも行っている。