油がきれて摩耗した機械と同じように、背骨自体が老化現象を起こして腰痛を起こすものに、変形性脊椎症があります。
加齢によってすり減って薄くなった椎間板の働きをカバーするために、上下の椎体に骨棘といわれる骨の出っぱりができ、神経を刺激して痛みやシビレを起こします。レントゲンで骨の出っぱりがみられても、ある程度は生理的な変化であるために、必ずしも全部の人が腰痛を起こすとは限りません。おそらく筋肉や靱帯などの軟部の支持機構や椎間関節に問題があって、腰の痛みを起こしてくるのではないかと考えられています。中年以降の男性(個人差もありますが、40歳ごろからだんだんと変形がはじまり、肉体労働をする方には、割合と早くはじまるようです。)に多く、朝起きた時や動作の始まりに痛み、動き始めると徐々に痛みがなくなり、同一姿勢や中腰を続けたり、夕方になって疲労してくると、また腰痛がでてくるという特徴があります。
外科・整形外科的な治療の他に予防として、運動療法が必要です。